メイン

2010/03/02
英プルーデンシャルが米AIGのアジア生保部門を買収

英プルーデンシャルが米AIGのアジア生保部門を買収するというニュースが出ていました。
またその金額が3兆1600億円と、第一生命の時価総額の2倍以上になるようです。


英国のプルーデンシャルといえば、数ヶ月前に日本から撤退というニュースが流れていた
のを覚えてますが、日本から撤退するぐらいだから資本余力のない中堅どころかと思って
いましたが・・・成長市場であるアジアの生保部門を買収することによって一気に巻き返しを
狙う、といったところなのでしょうか。


紛らわしいのは、英国のプルーデンシャルと米国のプルデンシャルとは同じ保険会社
でありながら、全く別の会社なんですよね。
ネット上の記事も、英プルーデンシャルって書いたり、英プルデンシャルや、
単にプルデンシャルって書いてあったり、ひどいのは米プルデンシャルと間違えて
書いてあるものまでさまざまで若干混乱しました。


・・・米プルデンシャルに個人的にちょっと関わりがあるので気になっただけなんですけどね。

AIGは売却した3兆円を公的援助資金の返済に充てるそうですが、それでもまだまだ
全額返済には程遠いようです。すげーな。


2009/03/24
WTC移転案否決は長期的に見て損害だ

大阪府の橋本徹知事が提案した、WTCへの府庁舎移転に関する条例案が府議会で否決されました。

WTCへの府庁舎の移転は、老朽化した府庁舎の建て替えの問題と、
毎年赤字を垂れ流すWTCの扱いに困る大阪市が抱える問題を一気に解決できる
ウルトラCの解決案として橋本徹知事が昨年8月に提案していました。

しかし、すでに府議会が府庁舎を耐震補強する方針を決め、予算も計上していたということと、
一部のベテラン議員から、府庁舎を大阪の中心部から、交通の便が悪い
湾岸部に移すことについて根強い抵抗があったようです。
また、災害が発生した際に職員が府庁舎に集参できない可能性があるという
防災面の不安も指摘されていたようです。

移転案に反対する理由としてはまぁ正論だとは思いますが、
ではこれ以上に良い案が議会にあるのかどうか怪しいものです。

WTCのある湾岸部は計画ではもっと土地の分譲が進んで、
企業が進出してにぎわっているはずでした。
WTCも貸しオフィスとしてのテナント料でやっていけるはずが、
ぜんぜんテナントが集まらず、市や府の出先機関が損失補てんのために
高いテナント料を払って入っているというのが現状です。
近隣のATCも、オープンしたばかりの賑わいは全くなく、たまに行っても、
休日だというのに驚くほど閑散としています。
これも3セクの経営失敗も大きいですが、人の流れがない以上、必然とも言えます。

府庁舎がWTCに移転すれば、職員が毎日通うので数千人の人の流れが出来ます。
そうなれば近隣にカフェやコンビニ、飲食店などの出店が増えて、雇用も増えます。
交通の便の悪さが防災面から問題視される点も、考え方を変えれば、
防災に耐えうる交通網の整備の契機になります。
国に補助を求める場合も優先度が高くなるでしょう。

今の府庁舎は取り壊して民間に売却してしまえば良いと思います。
大阪市内の一等地ですから、行政が使うよりよっぽど効率的で付加価値
の高い使い方をするでしょう。
その売却益でWTCの購入費用もずいぶん賄えるのではないでしょうか?

素人考えでは良いことずくめのように思えるのですが、
なかなかうまくいかないものですね。

一番の痛手は、これまでバッサバッサと大鉈を振るって政策を次々に
実行に移してきた橋本知事に対する求心力が弱まって、せっかくの
改革ムードがしぼんでしまう懸念ができてしまったということです。
メディアでもほとんど注目されませんでしたが、大阪の財政は
慢性赤字体質だったのに、08年度は黒字になったのは橋本知事の大きな
功績だと思います。
今回のことにめげずに橋本知事には引き続きがんばって欲しいものです。


2009/02/09
マンション不況の行方

マンション業界に限らずですが、不況の波がずいぶん押し寄せてきました。

2月5日、マンション分譲大手の日本綜合地所が東京地裁に会社更生手続き開始を申し立て、受理されたというニュースが流れてきました。

負債総額2142億円。昨年のアーバンコーポレーションに続いての大型倒産となりました。
このニュースも衝撃的だったのですが、実はこれに隠れて小さい記事で出てた、
藤和不動産が三菱地所の完全子会社になるとニュースのほうが僕にとっては衝撃的でした。


藤和不動産の発表によると、株式の交換方式で三菱地所の完全子会社化が行われるようです。
それに伴い、藤和不動産は上場廃止となり、また、株式交換方式であることから、
藤和不動産の株主には、三菱地所の株式が割り当てられるようです。

まぁ、衝撃的だったわけは個人的な理由が大きいのですが・・・
財務体制も良く、過去の実績もしっかりしていたし、供給戸数ベースで見ても、
ライオンズマンションの大京に次ぐ規模でしたから。
そんな健全な会社(に見えていただけかもしれませんが)をも呑み込む不況ということです。

藤和不動産はもともと三菱地所の子会社で、他所の会社に買収されるわけではなく、
会社名もブランドも残るので、そんなに大きなニュースにはならないのでしょう。
むしろ救済してくれる親会社が居て、倒産が回避されたという意味では良いニュースなのかもしれません。

マンション業界の景況感はこの1年でガラっと変わってしまいました。
ほんの少し前までは都心回帰ブーム、運河を望む物件が人気でキャナリストなんて言葉も生まれました。
地価は下げ止まり、都心部では供給不足から上昇に転じるなど、プチバブルの様相をも呈していました。
昨年末までの原油高騰を背景に鉄鋼などの建築資材が値上がりし、これからマンションの価格は割高になるから、といって消費者を煽って販売していた感じもありました。

それが、リーマンショック以降の金融危機から外国で手傷を負った銀行を中心に、
企業に対する融資に慎重になり、過去最高益を達成して黒字なのに、運転資金が回らず倒産してしまうデベロッパーが出てきました。
どんな屈強な戦士も息を止められてしまうと窒息死してしまうのです。

そのころに着工したマンションの販売は特に苦戦しているのではないでしょうか。
建設費が高くついた分、割高になっているのに加えて、消費者物価が下げに転じたことによる値下げ圧力などなど、利益が薄いうえになかなか売れないという状況がしばらく続くように思います。

この状況を打開するには、やはり銀行が果敢にリスクをとって融資をし、企業を支援していくしていくしかないのではないでしょうか。
政府による特別融資枠を拡充するなどして、銀行の貸し渋り、貸しはがし対策に注力する必要があるように思います。
そういう意味では、政府紙幣を発行して消費を刺激しよう、なんてやってる場合じゃないように思うのですがいかがでしょうか。

2009/02/05
政府紙幣発行について考えてみる。

最近気になっているニュース。

政府紙幣発行の構想が浮上しているとのこと。

今日の日経新聞にも出ていました。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090204AT2C0301J03022009.html

なんのこっちゃ?ということで少し調べてみました。
自分の頭を整理する意味でもちょっとまとめてみたいと思います。


通常、紙幣は日銀が、「日本銀行券」として発行します。
政府紙幣とは、その名のとおり、政府が発行する紙幣のこと。
日銀券となにが違うかというと、日銀が日銀券を印刷して銀行を通じて
市場に流す際、負債になります。日銀が1万円を市場に提供すればそれは、
1万円を「使った」ことになるということです。
それに対し、政府紙幣は負債になりません。
つまり何もないところから政府は無限にお金を作り出すことができるわけです。

ちょっと想像してみてください。
私があなたから100万円の借金をしているとします。
私は生活が苦しくて借金を返せない。
いつまでも返せないでいるうちに利息も含めて返せとあなたに迫られます。
そこで、私はチラシの裏に100万円と書いて、
「これ、100万円だから。大丈夫、私が保証しますから。どうぞ。」
といって借金を返すわけです。
これを今政府がやろうとしているのです。
派遣切りが大変だから。思い切った財政政策を打ち出そうにも財源がない。
じゃあ今の法律の枠組みで出来るんだから、お金を作ればいいじゃないかと。


これだけ捉えるととんでもないことのように聞こえますが、実は常に政府紙幣
の発行が悪であるわけではありません。

政府紙幣を発行すると、国の借金を増やすことなく思い切った財政政策を打てます。
例えば、今話題になっている定額給付金を、政府がいっぱいお金を刷って、
1人1万2千円と言わず、10万円配りましょうと。
そうすればみんながその10万円を使っていろいろ消費をするので需要が改善されます。
また、大型の公共工事だって借金せずにやっちゃえます。
その結果、雇用も改善されます。
その副作用として何が起きるかというと、インフレです。

無限にお金を作れることがわかっているので、当然お金の価値は下がります。
お金の価値が下がると物価が上がります。
急激なインフレは生活を壊しますが、ゆるやかなインフレは企業の金回りを良くし、雇用を改善し、むしろ景気を良くします。

ですので、経済がデフレの局面では、インフレ政策として有効に機能すると考えられます。
かなりの劇薬ですが、限定的に使う分には確かに有効でしょう。

問題は、そのさじ加減です。
無限にお金を発行し続ければ、どんどんインフレは進行します。
外国から見ても、そんな打ち出の小槌を振るい続ける国のお金は信用できない
といって誰も円を買わなくなって、円安が進むでしょう。
一番の懸念は、政府紙幣の発行をいいところで止める制御がきくかという点です。
どのタイミングでやめるのかは非常に重要ですが、借金を増やさずに財源だけ
を増やすという誘惑に勝たなくてはなりません。
選挙のことで頭がいっぱいの、財政拡大派が主流の与党自民党でうまく制御できるのか疑問が残るところです。
すでに書いたとおり、インフレ政策としては有効ですが、借金棒引きのために使う施策ではないのです。
永田町の先生方がそれを分かっていないとは言いませんが・・・


さて、改めて最初にリンクした日経の記事を読んでみると、こう書いてあります。


総裁は株式買い取りを決めた後の記者会見で「通貨に対する信認が害される恐れがある」と強調。そのうえで政府の債務返済能力への疑念から「長期金利の上昇を招く」と述べ、副作用の可能性を指摘した。

「信認が害される」とは、お金の価値が下がるという意味ですね。
「長期金利の上昇を招く」のは、長いスパンでお金を貸すと、その間に
お金の価値が下がって、低い金利じゃ逆ザヤになるから、金利を高くして
貸したお金の目減りを防ごうというインセンティブが市場に働く、ということを意味します。

さらに、日銀の白川総裁は以下のようにコメントしています。

「(発行額に見合った)資金調達が必要になるという意味で国債の発行と実体的に変わらない」

これは、政府紙幣が市場から日銀に回ってきた際に、政府に引き取ってもらう
パターンに言及したものですが、日銀からすると政府紙幣は「日銀券の代わりになるもの」
でしかないわけですから、政府に引き取ってもらって、その分日銀券で返して
もらうということになるのですが、そうなると結局政府はその分の日銀券が
必要なわけで、その財源がなければ結局は国債を発行して日銀券を調達し、
日銀に返すということになるので、「国債の発行と実体的に変わらない」となるわけですね。

まとめる、と言いながらかなりダラダラと長くなってしまいました・・・
背景を知ると、新聞の記事がいかに言葉足らずかということがわかってきました。
この件はもうしばらく行方をウォッチして行きたいと思います。